いとうのつれづれwannabe日記

洋画・洋楽・海外雑貨・食についてのひとりごと

スパイキッズ1・2(2001~2002 米)

原題 Spy Kids

   Spy Kids 2:The Island of Lost Dreams

2001年・2002年 アメリカ映画

 

 

 

私が子どものころめちゃくちゃハマって何度も繰り返し見たのが、スパイキッズです。

その昔たまたまTVで放送していた「マスク・オブ・ゾロ」にハマり、アントニオ・バンデラスに一目ぼれした私は、もれなくスパイキッズにもドはまりしたわけです。

アントニオファンならばお馴染みのロバート・ロドリゲス監督。彼の作品はとにかく面白いですね! 

彼の作品はエロい・グロいのイメージがありましたが、こんなに面白いファミリー向けのコメディ映画も作れるのかと驚きました 笑

いろいろとチープな仕上がりではあるんですが、そこがまた良いんです。

 

簡単にあらすじを言うと、

 

カルメンとジュニはコルテス家の姉弟

カルメンは何でもそつなくこなすタイプだが、しょっちゅう弟の面倒を押し付けられることにストレスを感じ、学校をこっそりサボることも。ジュニは弱虫で学校ではいじめられている。

二人に共通しているのは、さえない両親にうんざりしていること。

ある日、両親の不在で叔父さんに預けられた二人だったが緊急事態が起こり、両親は実は凄腕のスパイだったことを知る。悪者が家に押しかけ、わけもわからないまま緊急脱出を迫られるカルメンとジュニ。どうやら両親は悪者に捕まったらしい。

二人は手がかりを探りながら、世界征服をたくらむ悪者から両親を救うために奔走する!

 

 

何でもできるが故にプライドが高く、いつも弟を馬鹿にしているカルメンと、おまぬけだけどピュアな心を持ち、時に鋭いところがあるジュニ。

協力し合い大きなピンチを乗り越える過程で、家族の絆ができていくのがポイントです。

子ども映画と馬鹿にするなかれ、大人が見ても笑えて楽しい作品です。

中でも、いつも殺し殺されをしているダニー・トレホの愛らしい役がいちばんの見どころかもしれません 笑

 

まー、とにかくキャストが良いですね。みんな大好きです。

パパ役はアントニオ・バンデラス

アントニオもイケイケの時代です。個人的にはゾロのあたり(90’s)からここら辺のゾーンのアントニオがいちばん魅力的に思います(もちろん若ーーーい頃も最高だけど)。

ママ役のカーラ・グギーノも可愛い系の美人で、めちゃくちゃ好きな女優さんです。とってもチャーミングですよね。「ナイト・ミュージアム」や「ガンパウダー・ミルクシェイク」の役もすばらしかったです。

カルメンを演じるのはアレクサ・ヴェガ。現在彼女は35歳。小さいころ「ツイスター」にも出ていたらしいです。全然気が付かなかった……。しかもその後「マチェーテ」にも出ていたの!? も、もう一回観なおさなきゃ……!

ジュニ役はダリル・サバラ。現在31歳。wikiによると彼もマチェーテに出ている……?

ちなみに彼は2018年にメーガン・トレイナーと結婚しているそうです。長続きしてほしいですね。

 

脇を固める俳優陣も最高です。

本物の叔父さんを演じるのは監督の従兄弟であるダニー・トレホ! 彼も私が大好きな俳優の一人です。ああ、またマチェーテを観たくなってきた……。

偽物の叔父さんの方もロドリゲス作品の常連であるチーチ・マリンです。あっ、いつもの人だ!と安心します 笑

他、アラン・カミングロバート・パトリック、ボンドガールを演じたことがあるテリー・ハッチャーなどなかなかに豪華。

 

 

2の方のあらすじはこんな感じです

 

前回のカルメンとジュニの活躍をきっかけに、OSSには子どもエージェント組織が新設され、二人を筆頭に多くのスパイキッズが活躍するようになっていた。

新局長が発表される大統領主催のパーティーへ参加したコルテス一家。新局長に選ばれるのはパパ・グレゴリオのはずだったが、期待むなしくダナゴンが任命された。乾杯したシャンパンに盛られた睡眠薬で大人たちは倒れ、その間に謎の男たちが大統領の懐から"トランスムッカー”という謎の兵器を奪い去っていく。

ライバルのスパイキッズであるダナゴンの長男・ゲイリーに「奪われたのはこいつのせいだ」と汚名を着せられスパイをクビになったジュニ。

密かにゲイリーに想いを寄せているも、落ち込むジュニを見かねたカルメンは、OSSのシステムにハッキングしてジュニのステータスを復活させ、汚名返上のためこっそり二人でトランスムッカーを奪還しに行く。

 

 

たった一年後の作品ですが、カルメン演じるアレクサがより大人っぽくなった気がします。ジュニはまだまだ可愛い感じ。

今作ではママの両親、つまりじじばばが出てきてパパをいびったり、ライバルのスパイキッズ兄妹が出てくるなど、新たな要素も加わっています。さすが飽きさせないロドリゲス兄貴。雑なCGもご愛嬌です。

 

おじいちゃん役はリカルド・モンタルバン。知らない俳優さんでしたが、明らかに貫禄があり、大物俳優なんだろうなと思い調べたらやはり戦後に大活躍したハリウッドスターだそうです。スタートレックの悪役でも有名なんだとか。

おばあちゃん役はホランド・テイラー。キルトに綴る愛やトゥルーマンショーなどに出ている女優さんです。

ジュニといい感じになる大統領の娘を演じたのはテイラー・モムセン。表情のひとつひとつにおしゃまな感じが出ていて、これは大物の予感……という演技でした。彼女は2,3歳から子役をやっており、ゴシップガールで一躍ブレイクしたのだそうです。

ライバルスパイキッズの妹ガーティを演じたのはエミリー・オスメント。ハーレイ・ジョエル・オスメントの妹なんですね。確かに顔をよく見ると似ているし、演技もバッチリでした。「シークレット・アイドル ハンナモンタナ」では主人公の親友を演じていたそうです。

 

他、フループやミニオンも引き続きちょい役で出ていたり、ビル・パクストンスティーブ・ブシェミも出てきて相変わらずの面白さでした。

 

ところで、私はスパイキッズの吹き替え声優陣の良さも大変気に入っているポイントだったりします。

アントニオには安定の大塚明夫さん! これ以上安心感のある声優が他にいるでしょうか? 渋くてクールなトーンの時と、コメディの時のお茶目なトーン、どちらも好きすぎる……アントニオとデンゼル・ワシントンの吹き替えは特に大好きです。

また、カーラ・グギーノの高乃 麗さん。この組み合わせが本当に好き。高乃さんはヘレナ・ボナム・カーターの吹き替えのイメージもありますね。

カルメン清水理沙さんもとってもカルメンに合っていて、ちょっと大人びた感じが良い!

ジュニは常盤祐貴さん、彼は「ハリーポッター」シリーズのロンを演じた声優さんです。ジュニもロンも、気弱な性格ですよね。年代的に同じなので、「賢者の石」のロンをもう一度聞いて声を比べてみたいな。

 

 

久々にDVDを買って観たスパイキッズはやっぱり最高でした。何より、自分が子どものころわくわくした作品を、娘が楽しんでくれたのがうれしいです。「これ大好き!」とドはまりしてくれたのがたまりません。

やっぱり良い映画は時代関係なく楽しめるな~と改めて思いました。

ラティーノの魅力を存分につめこみ、大人にも子どもにもウケるコメディセンス、耳に残る音楽など、ロドリゲスの手腕が随所に散りばめられた名作だと思います。

 

 

「スパイなんて簡単だけど、家族がまとまるってむずかしいの。それこそが価値のある任務よ」

 

 

パラレル・マザーズ(2021年 西)

 原題 Madres paralelas

2021年 西


スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル。私が大好きな監督のひとりです。
子どもの頃になぜかアントニオ・バンデラスの熱狂的ファンだった私ですが、なんせアントニオを売れっ子にしたのは他でもないこのアルモドバル。アントニオきっかけで知った監督でしたが、彼の独特な世界観にすっかり魅了されてしまったのです。


彼の作品は、ストーリーがユニークだし、ブラックユーモアが効いていて、色彩の鮮やかさ、センスがずば抜けています。
特に作品に出てくる家のインテリアがあまりにも美しくて、惚れ惚れしてしまいます。キッチンなんか特にお洒落で、こんな家で暮らせたらなあ〜と思わずにいられません✨️

さらっと映る料理のシーンや食事のシーンも美しいです。


もちろんどんなに画面が美しくても、雰囲気で誤魔化しているだけで話がつまらないようではいけません。

しかしアルモドバル作品は、とにかく飽きないですね。
コテコテのハリウッド映画も大好きですが、合間にこういった味わい深いユニークな作品を観ると本当に良い刺激になります!

 

 


さて、この作品のあらすじは……

 

 


あらすじ1


プロの写真家ジャニスは、撮影をきっかけに出会った法人類学者アルトゥロにある相談をする。
それは、スペイン内戦時代に虐殺されそのまま集団で埋められてしまった曾祖父たちの発掘をしたいという内容。アルトゥロは財団でそれを引受けると言い、急接近した二人は付き合うようになる。やがてジャニスは妊娠する。

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まず、ジャニス役のペネロペ・クルスの相変わらずの美しさったら……黒髪のイメージが強かったけれど、明るい髪色も似合いすぎる!
若々しいけれど、若作りはしていなくて、本当に綺麗な歳の重ね方。
出産後のほぼすっぴん状態のシーンも、ちゃんとすっぴんなんだけど(多分)やっぱり美人だわ……と食い入るように見つめてしまいました🫠

 


あらすじ2


ジャニスは産院で同室だったアナと仲良くなる。アナはまだ10代で40歳のジャニスとは年が離れているが、お互いにシングルマザーだとわかる。母親になれるのか不安なアナを励ましてあげるジャニス。
まもなくジャニスとアナは同時に出産。
赤ん坊は2人とも、経過観察が必要としてしばし経過観察室に入れられてしまうが、やがて無事退院となり、ジャニスとアナは連絡先を交換して別れた。
ジャニスは娘にセシリアと名づけ、大切に育てるのだった。

 

回想シーンで、ジャニスは家へ来たアルトゥロに妊娠したことを打ち明ける。
しかしアルトゥロは実は既婚者。
別れたいが妻は癌で闘病中であり、今はタイミングが悪いので妻と別れられない、でも君とは家庭を持ちたいと考えている。子どもは欲しいが今は無理だ、どうか考え直してくれ。と、アルトゥロ。
ジャニスは気丈に、
私ももう年だから時間がない。この子を産むともう決めた。これ以上話しても変わらないし、恨みっこなしで別れよう、と伝える。

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まず、 アルトゥロにがっかりしますよね〜〜。
インテリイケおじと思ってたら!既婚者かよ!どうせ別れる詐欺だろ!みたいな 笑


そしてきっぱりとひとりで産む宣言をして別れようと言うジャニスの潔さ。
アルモドバル作品の女性たちはいつだって強くて美しくてカッコ良いのです。


余談ですが、アルトゥロはジャニスの家に来た時に花を持ってきていて、まあ素敵と思ったら、「君と初めて寝て1年だ」。
イケおじ過ぎてそこまで驚かなかったけど、ん? とはなりました。少なくとも日本人がこれ言ったらキモいですね! 初ベッドイン記念日……
いや、交際記念日ってことなのかな。それならそう言う言い方の方が良い気がするんだけど。
原文ママなのかも気になるところ👀
そういえば韓国のカップルはなんでも記念日つくるのが好きと聞いたことがありますが、本当でしょうか? 韓国の人にこのセリフどう思うか聞いてみたいですね。

 


あらすじ3(以下、ネタバレの可能性あり⚠️)


ひとりでセシリアを育てるジャニスだったが、アルトゥロがセシリアの顔を見に来る。別れるといっても、やはり娘のことは気になる様子。
そして明くる日、アルトゥロは言う。
あまりにも顔が違う、自分の子ではないはずだ、と。
たしかに、セシリアはまだ赤ん坊とはいえ、エキゾチックな顔立ちに見える。
そうは言っても他に心当たりなどなく、心ない発言に腹を立てたジャニスはDNA検査をしたいというアルトゥロを拒否して別れる。
動揺し怒り心頭の帰り道、かかってきた電話。相手は産院で別れて以来のアナだった。
育児疲れはあるもののお互い母子ともに順調であることを確認して電話を切る。


不安に駆られたジャニスは後日、DNA検査キットを取り寄せ、自分とセシリアのDNAを送る。
結果は、100%他人であった。
絶望して弁護士やアナ、アルトゥロに電話をかけるが、どれもタイミングが悪く通じない。


ジャニスは保育ママを探し、電話番号を新たに替え、仕事に復帰する。
結局誰にも打ち明けないまま、子育てを続けるのだった。

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あああああ……アルトゥロ、なんてこと言うの!と思ったけど、まあ確かにあまりにも違う血を感じるものね……不穏……と思ったら、やはり他人の子。ここまできたらわかりますね。取り違えなわけです。
私はあらすじを一切見ずに映画を観るので、うわー、内戦の虐殺もそうだけど、なかなか重いテーマだな、と思いました。
こんなに愛情をかけて大切に大切にしている子が、他人の子だったら。自分の本当の子が、よその子だったら。
そしてこのジャニスの選択にも、今後の波乱を感じずにいられません。

 


あらすじ4(以下、ネタバレの可能性あり⚠️)


しばらく経ってから、ジャニスは偶然入ったカフェでたまたまウェイターをしているアナに出会う。
長かった黒髪はブリーチされ、ボーイッシュな短髪になり、別人かのようなアナ。
ジャニスは動揺しつつも、思わずバイト後に家へおいでと誘う。
家に来たアナは、子育てにいっぱいいっぱいで鬱状態の自分を置いて、女優としての夢を優先させ巡業に出てしまった母親に対して失望したと言う。母親と別れて別の場所い住んでいる父親も自分を受け入れてくれず、今はひとりで家を出て自由にやっている。
ジャニスが、赤ん坊はどうしたのかと訊くと、乳幼児突然死症候群で亡くなってしまっと告白するアナ……。
写真を見せてもらうと、そこには可愛らしい、自分とアルトゥロとの子であろう赤ん坊がいた。


ジャニスは、家庭の都合で勤めるのが難しくなった家政婦の代わりにアナを雇うことにした。
そして目的を告げずにアナのDNAを採取して検査をした結果、セシリアの本当の母親はアナであることを改めて確認する。
しかし真実を告げられぬまま日々が過ぎ、一方でアナはジャニスに想いを募らせ、やがてベッドを共にするようになる。


ある日アナが打ち明けた過去は辛いもので、学生の時に仲間内で酒を飲み酔い、その勢いで意中の相手と性行為をしていたら他の男子に動画をとられ、それをネタに揺すられてレイプをされたというものだった。
なぜ告発しなかったのかと訊かれると、騒ぎになるのが怖かったからだと言う。警察も、マスコミも、自分がされたことを話すことの方が怖かったと。

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つらい、つらすぎる。
本当の自分の子は死んでいた。
電話番号もせっかく替えたけれど、アナのことを無視できず、また電話番号を教えて、それどころか家に雇ってしまう。
ずっと葛藤しつづけるジャニス。
そしてそんな彼女の悩みなど知る由もなく恋慕をつのらせ口づけるアナ。
言わずもがな、ジャニスはアナを可愛がっているけれどそれは複雑な感情であり、恋人としてではありません。

アナの過去も、あまりに惨い。もちろん、告発すべきことなのは明らかですが、「事件」にすれば、起こったことをすべて話さなければならず、多くの人に知られることになる。話すことで自分がまた傷つくかもしれない、それならいっそ、なかったことにしたい……良い悪いではなく、そう思う人は事実として少なからずいると思います。

不幸中の幸いというには不謹慎かもしれませんが、アナが好きだった彼の写真とセシリアの顔立ちを見比べていたあたり、父親はレイプ犯ではなかったようです。

 


あらすじ5(以下、ネタバレの可能性あり⚠️)


ある夜、電話が通じないからとジャニスを訪ねてきたアルトゥロ。
ついに遺骨の発掘作業ができることになったこと、妻が癌から回復し、別れることになったことを告げる。
なぜ別れたの? と訊くジャニスに、彼は答える。「隠しているのが耐えられない。嘘はつらすぎる」


一方で、アルトゥロとの関係に嫉妬し、「彼はあなたの墓地への執着を利用している、前を見なければ」と口を滑らせたアナに対してジャニスは言う。

少しは自分の国のことを知りなさい。あなたは若いからわからないのかもしれないけれど、家族をきちんと埋葬することが必要なのだ、それまで内戦は終わらないのだと。


二人の間に不穏な空気が流れる。自分から心が離れたのか、アルトゥロとよりを戻したのかと不安をぶつけるアナに、ジャニスはついに真実を打ち明ける。


取り乱したアナは早々に荷物をまとめ、セシリアを連れて自分の母親のもとへ帰る準備をする。
泣いてすがるジャニスを無視し、アナはセシリアを抱いて去っていった。
安定剤を飲んでも耐えられず、ジャニスはアルトゥロを呼ぶ。そして彼にも、すべてを打ち明けたのだった。


翌朝、ジャニスに電話をかけたアナは、今は冷静になった、あなたのことが心配だし、セシリアにいつでも会いに来て欲しいと言う。
ジャニスは、こうなったのは私のせい、そうね、すべて話し合いましょうと返すのだった。

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若いアナの描き方が非常に上手いなと思います。
憧れや慕う気持ちが色々と綯い交ぜになって、歳上に盲目的な恋をする不安定なところや、過去(遺骨)のことをなんでそんなに拘るの? というようなことを無邪気に言ってしまうところとか。
突発的にセシリアを連れて夜に家を出るも、翌朝にはちゃんとクールダウンしてジャニスを赦すのは、救いでした。
あと、アルトゥロ、本当に別れたのか。疑ってごめんな……。典型的な浮気男だと思ったら、そうでもありませんでした 笑

 

あらすじ6(以下、ネタバレ⚠️)


月日が経ち、ジャニスとアルトゥロは彼女の故郷で、親戚や遺骨の遺族たちから聞き取り調査を行っていた。
着々と準備が進み、ついに遺骨の発掘作業が始まる。
そこにはジャニスの親友と、アナとセシリアの姿もあった。


久々に再会したアナに、ジャニスは妊娠3ヶ月であることを告げる。産まれるのが女の子なら、アナと名づけると。


そして遺骨は無事に発掘され、遺族たちは百年近い時を経て、やっと愛する家族と再会できたのだった。

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このどえらいストーリーを、こうも美しく無駄なくまとめられるのは本当にアルモドバルの手腕なんですよね。


内戦下での虐殺という暗い歴史と、赤ん坊の取り違いというテーマ。
全然違う軸で全然違うテーマとして進行するんだけれども、芯は同じ"家族"。

自分とは違う時を生きた先祖との絆、血は繋がっていなかったけれど惜しみなく注いだ愛の絆と、一度しか抱かぬままよその子として死んだ実子との絆。


とても重いテーマでありながら、重々しく湿っぽくせず、でも見ごたえ抜群で、最後には希望と救いがありました。


なんといっても、ラストショットがとても印象に残りました。

死者への悼みととれる、そして胎児のようにもみえる姿。命のつながりをあらわしているのかなと私は思いましたが、これは観た人に委ねられるのでしょう。他の人の感想も気になるところです。

 


アルモドバル作品の中では、これは特に人におすすめしたいですね。
昔はもっと突飛な作品が多かったイメージですが、円熟味が増したとでも言うのか、とても穏やかな気持ちで観られました。
彼の作品は癖が強いので合う合わないがあると思いますが、年々マイルドになっていると思います。その証拠にと言っていいのかはわかりませんが、最近はスペインの枠を出て、ペドロ・パスカルとイーサンホークの短編西部劇を撮ったり、ティルダ・スウィントンの一人芝居を撮ったりしています。

とはいえ、彼の個性が薄れることはないでしょう。薄れるのではなく、より円く、よりやわらかく、多くの人の心にしみわたる温かさと深みを増していっているのだと言えるのではないでしょうか。

 

 

"人の歴史は口を閉ざすことを拒む"

 

 

タラとポテトのグリル ~パラレル・マザーズを観て~

先日観たパラレル・マザーズの中で、ペネロペ・クルス演じるジャニスがキッチンで料理をするシーンがあります。

わかる範囲だと、じゃがいもがたっぷり入ったスパニッシュ・オムレツと、野菜の上に白身魚を乗せてオーブンでグリルしたもの。

 

煙草もそうなのですが、映画に出てくる料理ってやたら美味しそうに見えたりしませんか?

 

よし、今日はこれを真似しよう、と思いました。

スパニッシュ・オムレツも捨て難いですが、今回はレシピのよくわからないグリルの方にしてみました。

といっても、完全再現ではなく、インスパイアされた適当料理です。

 

ヒントは、一瞬うつったじゃがいもと玉ねぎ、トマトを先に焼いて、その上に白身魚をのせて具合を見て白ワインをかけるということくらい。

 

私の適当手順は下記の通りです。

 

とりあえず、スライスした新じゃがいも2個、玉ねぎ半分を塩を振って多めのオリーブオイルで炒めました。

映画では炒めるのではなくオーブンで火を通していましたが、オーブンレンジの電気代もそこそこかかるし塩梅がいまいち掴めないので、ここは火で🔥

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この間に鱈には塩を振っておきます。

 

トマトがないから色がない……ので、少量の人参を後から足しました。

火が通らなさそうなので、適当に水をぶち込み、チキンブイヨンキューブもひとつ投入。これで味は悪くならないはず。

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鱈の方は水分をキッチンペーパーに吸わせて、軽く白ワインをふりかけておきました。

オーブンは200度に予熱。

 

グツグツして数分放置してから火を止め、上に鱈をのせて白胡椒とタイムをかけてオーブンに投入。

写真がブレました。

恐ろしくレンジ内部が汚れているので、お目汚しにならず丁度良かったです。

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30分でセットして放置しました。

出来上がったのがこちら。

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ケーパーを入れました。

鱈はめちゃくちゃ縮みました。30分はやり過ぎた。オーブン調理はまだまだ修行が足りません……。

 

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でも味はばっちり!

……いや、正直鱈はやっぱり固くなっていました。次回は15分加熱してから様子を見たいと思います。

 

果たしてジャニスが作ろうとしていた料理がどんなものかはわかりませんが、とりあえずまずまずのディナーができたので良しとします!

 

あー、スペイン行きたいな~

 

 

ラスト・スタンド (2013年 米)

 

原題 The Last Stand

2013年 アメリカ映画


2013年のシュワ主演作品です。

おそらく州知事の任期満了後の復帰主演作ですね。
何度か地上波で放送しています。久々に観ました。

 

 


以下あらすじ(ネタバレなし)


かつてロス市警で腕利きの刑事として活躍したレイは、多くの仲間を失ったことで職を辞し、いまでは寂れた田舎町、メキシコ国境に近いソマートンで保安官をしている。
ある日、FBIが極秘裏に行っていた護送から脱走した麻薬王、ガブリエルがメキシコへ越境するためにソマートンに向かっていることが発覚。
さらにそれを手助けするためにカルテルのメンバーが街へやってくる。
小さな町のたった4人の保安官が、それを阻止することはできるのか?

 


あらすじからなかなか面白そうですよね?

 

これを観て、シュワちゃんも歳をとったな……なんて思ったあなた。
シュワ作品ねぇ、全盛期の頃に比べたらそんなに面白くないんでしょ、なんて思ったあなた。


大間違いですよ。なんなら、歳を重ねたからこそ出来る面白作品は多い!(エクスペンダブルズなんかその最たるもの!)


私が特に推したいポイントとしては、町が高齢化しているから、相対的にシュワが若造なところです。
町民の爺さん婆さんの肝の据わりっぷりたるや……シュワが戸惑ってしまうほど。最強なのにたじたじなシュワ、可愛すぎる。


基本の軸はもちろんレイ(シュワ)率いる保安官たち対ガブリエル率いるカルテルなわけですが、レイは年配者であり、ガブリエルはまだ若い。
老いぼれめ、と高を括るガブリエルですが、このコントラストの具合が、あからさま過ぎないのが良いですね。


私は午後ローでよくクリント・イーストウッド作品を見てきましたが、彼の作品は面白いとは思うものの、ナルシズムの強さを感じてしまうという部分があります。彼が歳を重ねるほどに「年寄りが若者をあっと言わせる」傾向が強くなるなと。
(言い訳じゃないけど「スペース・カウボーイ」なんかは大好きなんですけどね!)
その点、ラスト・スタンドはそういう主張も強すぎず、気持ちよく観られました。
若いチームメンバーを引っ張るレイの安定感もありつつ、若手を尊重したり守ったりするような部分の心地良さが良いです。
まさしく理想の上司ってやつですね!

 

それから麻薬王役のエドゥアルド・ノリエガが非常に良かったですね。セクシーで、麻薬王に相応しい貫禄があり、惚れ惚れしちゃいました😆

彼はスペインの俳優なんですね。ラテンの色気が凄まじく、若い頃の美しさはもちろん、最近の姿もまた色気が増している……是非画像検索してみてください✨


脇を固めるフォレスト・ウィテカーやルイス・ガスマンも安定していますね。
麻薬王の右腕を演じるピーター・ストーメアは名前こそ初耳でしたが、なんか見たことある、色々な作品に出ている!っていうタイプの人でした(雑)。ちなみにスウェーデン出身だそうです。


二枚目としてはブラジルの人気俳優、ロドリゴ・サントロ。彼はチャリエン(フルスロットル)でハリウッドデビューしてから、ラブ・アクチュアリーや300など色々な作品で活躍しています。


誇りは金じゃ買えない、という主人公の ザ・正義漢なセリフも古典的ながらキマッていました。
ラストスパートの闘いっぷりはやはりシュワの無双が凄まじく、期待を裏切らないものでしたね。ナイフでズバズバやられているけれど負けないレイ、脚に一刺しでダウンする麻薬王……。


ところでwikiって知ったのですが、これ、韓国の監督さんなんですね! キム・ジウン監督といって、これが初のアメリカ映画だそうで。やっぱり韓国のエンタメのレベルの高さってすごいなと思いました。普通にハリウッド慣れしてる(?)監督の作品だと思っていました……。

 


とにかく、昔はよくシュワちゃんの作品を見たけどねぇ〜なんて方は、是非この作品を観て欲しいです。もちろん、若い方にも。
新たなシュワちゃんの魅力を感じられるはずですよ!

 

「誇りは金じゃ買えない」

 

スリランカカレーと、中国茶 at 池袋

 昨日、使用で池袋へ行って参りました。

 そこで、最近気になっていた二軒のお店へ行ってきました。

 

 1つ目が、フロリダ亭さん。

 東口のジュンク堂の辺りからしばらく歩いて、豊島区役所の近くまで行ったところにあります。

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 名前と裏腹に、スリランカのお店です。

 今回の目当ては名物、バナナの葉で包んだカレーです。

  お店を見つけると、ちょうどスリランカ人ぽい人(違ったらごめんなさい)が出てくるところでした。ネイティブにも日本人にも人気のようです。

 入るとすぐにスリランカ人(おそらく)の男性が丁寧に席に案内してくれます。もちろんバナナリーフカレーセットをオーダー。辛いらしいので、ドリンクはマンゴージュースを選びました。

 

 店内にはエキゾチックな音楽が流れ、ネイティブっぽい人たちのグループや日本人カップルなどがそこそこ入っていて、ふかふかのソファも相まって非常に雰囲気が良いです。

 お店の入口近くの棚には、スリランカの歯磨き粉、紅茶、アーユルヴェーダの軟膏が置いてあります。

 物珍しく手に取って眺めていたら先程の店主?さんがマンゴージュースを持ってきて、親切にも私が落としたハンカチを「落ちてますよ、ここ置いときますね」と拾ってくれました😂 控えめな話し方が非常に日本人ぽいです。多分とても良い人。

 

 ほどなくして、ラップに包まれたバナナリーフカレーが来ました🍛

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 あらかじめ食べログで予習をしていたので、手順は心得ています!

 まずラップを剥がして(当たり前)葉っぱを開いて(当たり前)

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おせんべいみたいなもの(パパダン)を砕いて、混ぜる!

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 具材は、かぼちゃと卵以外は未知です。こういう、海外の「材料の想像もつかない未知の食べ物」へのワクワクが堪らないですね。

高級な料理もそうですが、海外のものだと特に現地の人が当たり前に食べているものだけど味の想像もつかない、みたいなところが興奮ポイントです。

 ちゃんと調べているわけではないので、味の感想はよくわからんけど美味しい!!くらいしか言えませんが……(小並感)

 辛さはちょうど良いです。やっぱり日本には無い色々な組み合わせが一体となって、複雑な味わい……

 どうでも良いですが、私はあまりインドやネパールのカレーがあまり好きではなく、こういったドライなタイプのカレーが好みだったりします。

 日本人に合わせているのかわかりませんが、スパイスもそこまで強くなく、とても食べやすい。

……と、調子に乗っていたら、後半は満腹なのも相まって辛さもちょっとキツくなってきました🌶

 

 私はかなり少食なので、外食すると食べ切るのに苦労します。残りをテイクアウトできるタイプのお店だったり、少なめをお願い出来るお店だと気兼ねなく食べられるのですが💦

 

 でも、セットでついてきた小さなまん丸のコロッケのような物も、しっかり食べました。

 写真を撮り忘れてしまったのですが、中身はけっこうジューシーで、魚が入っていました。香りがややキツめで、鰯なのかな? ケチャップを多めにかけてちょうど良かったです。

 

 後から来て隣に座ったご婦人もバナナリーフカレーを頼んでいたのですが、運ばれて来た時に食べ方の説明を受けていました。私にはしなかったぞ?笑

 玄人感を出していたのもしれません。いや多分、私の陰キャオーラが凄すぎて話しづらかったのかな……。

 

 お腹は非常に苦しかったですが、とても満足でした!

 次はフライドライスを食べてみたいかな。あとできれば誰かと一緒に行ってシェアしながら食べたいかも……。

 

 お土産に、アーユルヴェーダの軟膏を300円で購入しました。

 店主さんが「使ったこと、ありますか? ない? アタマが痛い時とかに、ここ(こめかみ)に塗ると良いです。塗りすぎると、ちょっときついので、少し」と教えてくれました。

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 さて、あまりに満腹でちょっとやばかったので、少し散歩をしたりベローチェで休憩してから、2軒目のお店へ行きました。

 それだけやばいならまた次の機会にすれば良いんですけど……普段引きこもりなので、出かけた機会に済ませちゃいたいんですよね……。あと、フロリダ亭さんから近いところだったので。

 

 梅舎茶館さんです。こちらはだいぶ駅よりのところにあります。ジュンク堂の近くですね。

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  少し前に、Twitter(X)でたまたま中国人がお茶を淹れる動画を見たんですけど、それがとっても衝撃で。

 私は無知だったので、それまで緑茶と紅茶のことしかあまり知らなかったんですね。もちろんペットボトルの烏龍茶やジャスミン茶は飲んでいたし好きだったんですけれど、お茶の入れ方について考えたことはありませんでした。

 その動画では、おじいさんが茶盤の上の蓋碗に豪快に鳳凰単叢をがばっと入れて、入れたお湯をざっとこぼし、もう一度お湯を入れて茶杯にサーッとついでいました。

 私はまず茶盤も蓋碗も知らなかったし、単叢の大振りな葉っぱも初めてちゃんと見たしで、何だこれー! カッコイー! って思ったんです(単純)。

 で、いくつか動画を漁って、聞香杯やら茶壷(急須)などを使うこともあるとわかり、奥が深いんだなー、中国って面白いな〜と思いました。

 

 20代の頃は海外といえばアメリカ!ヨーロッパ!みたいな、典型的海外かぶれ女でした🤣

 最近は中国やフィリピンなど、アジアの国々や中東、アフリカの文化も気になります。まあ相変わらず海外かぶれではありますね 笑

 

 話を戻して、梅舎茶館さんへ入ると、オーナーらしき女性が接客中でした。ゴールデンウィーク明けで雨ときたら空いてるかなと期待していたのですが(オーナーさんもそう思っていたらしいです)、なぜかこの日は大盛況でした!

 ひとりでやってらっしゃるので、混んでいるとちょっと忙しそうですが、なんせお茶を飲む場所ですから、焦らずのんびり待ちます。

 メニューを見てもちんぷんかんぷんですが、動画で見た単叢を頼むことは決めていました。

 しかし、メニューを見たところ、かなり種類が多い! でも香りの説明がしっかりと書いてあるので、甘い香りだという蜜蘭香をチョイスしました。

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 まずはお茶の葉を出してくれて、香りを嗅ぐことができます。うーん、なるほど……わからん。悲しいかなど素人なので、こういうものなのかあ〜という感じです😂

 それから、オーナーさんが準備をしてくれて、説明しながらお茶を淹れてくれます。蓋碗に茶葉を入れ、熱々の湯を入れたらすぐに捨て、またお湯を入れます。最初は少し蒸らすけれど、2回目からは蒸らしは要らないとのこと。聞香杯はありませんが、蓋碗の蓋を手に取って香りを楽しめます。

 肝心のお茶は……甘い! 期待通りの甘い香りと味わい。とっても私好みで美味しいです!

 

ちなみに価格は2,200円から。結構な……と思いますが、これ、何杯でも美味しく飲めますし、お茶菓子も珍しいものをいただけます。

 たまの贅沢としてはかなりおすすめです。

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 お茶菓子は、ドライフルーツとひまわりの種と、揚げたクラッカーみたいなものと、硬そうでもふもふした謎のお菓子でした(酷い説明)。

 

 蓋碗を使うのは初めてでしたが、予習はばっちりイメトレしてきたので、気合いを入れて茶杯に注いだのですが、まあダバダバと溢れること 笑

 でも何回かおかわりしているうちに、うまいこと注げるようになりました。後から来て隣に座ったお客さんが「そうやっていれるのか〜」みたいな顔で見てきましたが、安心してください、私も初めてですよ、お兄さん😌

 

 この日は大盛況でしたが、穏やかな日だと気になったことは店主さんに話を色々聞けそうです。とても感じの良い方でした。

 お土産に同じ茶葉を買って帰りました。家でも楽しむぞ✨️

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 ひまわりの種を食べたので、気分はすっかりハム太郎です。

 今日はとっても楽しかったね。明日はもーっと楽しくなるよね、ハム太郎

 くしくし、へけっ🐹

初めてのblog です

 

 はじめまして。いとうです。

 目まぐるしく日々変化していくネットの海の中で、ブログというのはなかなかに歴史が長いコンテンツですが、30代にして今初めてブログというものを始めます。

 TikTokやらBeRealやらはまったくついていけない上にInstagramすら海外セレブ観察用(ROM専)です。noteを始めるという手もあったと思うのですが、ここはあえてはてなブログに挑戦してみました。

 ツイ廃(死語)なので、果たして続くのかわかりませんが……洋画、洋楽、海外雑貨、料理などについて、ぼちぼち語れればと思います。

 

 ざっと自己紹介すると、30代に突入したしがない事務員の女であります。

 家族構成は旦那と、小学生の一人娘と、犬。

 

 子どもの頃は基本的に母子家庭で、母が夜の仕事をしていたため、小さいうちから夜はひとりで過ごしていました。子守りは、テレビで放映されていた映画、あるいはビデオの映画。

 昔はよく地上波で映画をやっていましたよね。月曜も水曜も木曜も金曜も、日曜もやっていた気がします。土曜もやっていたっけ?

 とにかく、私の子守りをしていたのは映画であり、さらにいうと90年代のアクションスターたちがほとんどです。シュワちゃん、スライ、ブルース・ウィリスハリソン・フォード……たまに大人の恋愛映画もあったりして。

 

 今でも観るのは午後ローで撮りためたアクションムービーが多いです。やっぱり彼らの活躍を見るとほっとするんですね。

 古い映画が好きなのもあり、映画好きと名乗っておきながらあまり映画館へは行きません(シネフィルマンたちに叩かれそう)。

 経済的に余裕がないのもあるけれど、絶対に観たい作品の時だけ観に行くのは、それはそれで特別感があると思っています。もちろん、もうすこし収入に余裕があれば映画館を支えるためにもっとお金を落とすべきだとは思いますが……。

 

 それに今はサブスク戦国時代なので、家で手軽に映画を観られるようになりましたね。オリジナルやら独占配信作品も多いので、そこがつらいところですが。

 ある意味では恵まれているけれど、時々思いを馳せてしまう、TSUTAYAやGEOで延々と旧作のパッケージを見て回っていたあの頃、レンタル落ちのビデオを100円~500円で買い漁ったあの頃……。

 

 今ではライフスタイルもすっかり変わり、映画を一気に観られる時間もあまりありません。録画した懐かしい映画を隙間時間や家事をしながら、ちょこちょこ観るばかり。

 でも、私にとって映画とは日常生活の中に当たり前にいるものです。そして娘にとってもそうなっています。

 小学校低学年の娘は、シュワちゃんが好き。何も言わずに映画を再生して、シュワちゃんが出てくると喜びます。

 また、子どもの方が人の顔をよく覚えられるのか、私でも気づかない端役の役者を見て

「あ、この人○○にも出てたよね!」なんて言う。

 これから彼女にも自分なりの趣味が出てくるのでしょうが、たとえ今だけでも一緒に洋画を楽しめるのは嬉しい限りです。

 

 そんな大したことのないささやかな日々を、少しずつ綴っていこうと思います。